グッドの絵文字は冷たい?親と子で読み方が違う、絵文字の世代間ギャップ

親が「いいね」のつもりで送った 👍 が、子どもには「はいはい、わかった」に見えることがあります。絵文字の世代間ギャップは本当はどこにあるのか、研究で何がわかっているのか、家族とのやりとりで誤解しないコツをまとめました。

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ピンクのリボンでつながった、何も書かれていない2つの吹き出し。大きいほうはハスの花やバラ、小さな太陽に囲まれ、小さいほうは飾りがなく、横にタピオカミルクティーとキラキラがいくつか添えられています。

サムズアップ(グッド)の絵文字は、多くの親にとって「了解、いいね」の意味ですが、子どもには「はいはい、どうでもいい」というそっけない返事に見えることがあります。🙂 も、ある世代には微笑みに、その下の世代には冷ややかな薄笑いに見えます。絵文字そのものは同じで、変わったのは読み方のほうです。この記事では、家族の間で特に誤解されやすい絵文字、研究で実際にわかったこと、すれ違わずにやりとりするコツを紹介します。例として挙げた絵文字は、どれもタップするだけでコピーできます。

  • 👍 だけの返信は、多くの親にとってはただの「はい」ですが、若い世代の多くには、会話を打ち切る冷たい句点のように見えます。ひと言添えるか笑顔をつければ、あいまいさが消えます。
  • 🙂 は微笑みのつもりでも、イライラや皮肉と受け取られることが多い絵文字です。親しみを伝えたいなら、目も笑っている 😊 を使いましょう。
  • 年上の家族が花や 🙏、おはよう画像を送ってくるとき、伝えたいのは「気にかけているよ」という気持ちです。絵文字を1つ返すだけでも、ちゃんと返事になります。
  • 研究によると、顔の絵文字の大半は世代が違っても同じように読まれています。誤解は口調を左右する一部の絵文字に集中しているので、迷ったら聞いてみるのがいちばんです。

グッドの絵文字は冷たい?

読む人次第です。👍 は2010年からUnicodeの規格に入っている絵文字で、英語の名前はそのまま thumbs up(当サイトの絵文字一覧の日本語名は「サムズアップ」)です。多くの親にとっては、「了解」「はい」「いいね」をいちばん手早く伝える方法です。問題になるのは、👍 だけがぽつんと届いたときです。どんなメッセージにも口調をやわらげるひと言を添えるのが当たり前の人には、👍 だけの返信はぶっきらぼうに感じられます。イギリスのメディアが報じた、市場調査会社Perspectus Globalによる2021年の2,000人調査では、16〜29歳の回答者の多くが、👍 や赤いハートを使うと「正式に年寄りの仲間入り」だと答えています。シドニー大学の講師Brittany Ferdinandsは2025年に、サムズアップは遠回しな嫌み(パッシブ・アグレッシブ)と読まれやすく、誰から届いたかによっても受け止め方が変わると書いています。上司からなら比較的受け入れやすく、それほど不安にもなりません。ところが、思い切ったメッセージを送ったばかりの気になる相手から 👍 だけが返ってくると、不安はずっと大きくなります。

これは句点の問題とよく似ています。アメリカのビンガムトン大学の心理学者たちは2015年に発表した研究で、126人の大学生に「Okay」「Sure」「Yeah」のような一語だけの返信を見せました。ショートメッセージでは、最後にピリオドがついた返信のほうが誠意に欠けると評価され、同じやりとりを手書きのメモにした場合はそうした差が出ませんでした。表情も声も伝わらないぶん、句読点が口調として読まれるのです。人によっては、👍 だけの返信は「Fine.」(はいはい。)の絵文字版というわけです。日本でも2024年に、文末の「。」を若い世代が冷たく感じる「マルハラ(マルハラスメント)」が話題になりました。もっとも、マーケティング会社フォーイットが20〜60代の500人に聞いた調査では、目上の人からの「。」で終わるメッセージに「威圧感」を覚える人は9.0%にとどまり、64.8%は「あまり気にしたことはない」と答えています。上の世代にも、上の世代なりの口調の出し方があります。台湾のデータ分析サイトDailyViewがまとめた「年配の人にありがちなメッセージの癖」には、文末を「…」で終えることも挙がっています。送る側の多くはやわらかく言うつもりですが、いつもそう読まれるとは限りません。

昔ながらの読み方もなくなったわけではありません。裁判の場で争われたことさえあります。2023年6月、カナダのサスカチュワン州王座裁判所(Court of King's Bench)は、亜麻の売買をめぐる訴訟で判決を出しました。穀物の買い付け業者が契約書の写真に「Please confirm flax contract」(亜麻の契約を確認してください)と添えてショートメッセージで送ると、農家は 👍 を1つだけ返しました。ところが、亜麻は納品されませんでした。農家は、この絵文字は契約書を受け取ったという意味にすぎないと主張しました。裁判官は、両者がそれまでもメッセージのやりとりで取引をまとめてきた経緯をふまえ、👍 は契約の承諾であり、この状況では署名の役割も果たしたと判断して、82,200.21カナダドルの損害賠償を命じました(2023 SKKB 116)。控訴裁判所は2024年12月にこの判決を支持し、カナダ最高裁判所も2025年7月、上告を受理しませんでした。ビジネスのやりとりでは、👍 が拘束力のある「はい」と見なされることもあるのです。

  • サムズアップ

    多くの親にとっては「了解、いいね」の意味です。単独で送ると、そっけないと受け取る若い人もいるので、ひと言添えれば安心です。

  • 白抜きのチェック

    「完了」「対応済み」の意味です。👍 と同じく手早く伝えられますが、単独で送ると、やはり事務的に見えることがあります。

🙂 はなぜ怒っているように見える?

🙂 の英語名は slightly smiling face(少しだけ微笑んだ顔)で、2014年のUnicode 7.0で追加されました。当サイトの絵文字一覧の名前はUnicodeのCLDRのデータによるもので、日本語の名前は素直に「微笑む」ですが、中国語の名前は意味深です。繁体字中国語では「呆呆笑」(ぼんやりした笑い)、簡体字中国語では「呵呵」(文字で書いた「へへ」)と呼ばれています。点2つと細い線1本の笑顔には感情がほとんど乗っていないので、足りない部分は読む人が想像で補うことになります。その結果、礼儀正しい笑顔にも、軽くあしらう笑顔にも、「はいはい、お好きにどうぞ」にも見えてしまうのです。絵文字の解説サイトEmojipediaも、見下したような、遠回しに嫌みを言うような、あるいは皮肉なニュアンスにもなりうると書いています。本当は大丈夫ではないのに「大丈夫」と言っているような笑顔です。

中国にもよく似た例があります。メッセージアプリのWeChatには独自の笑顔アイコンがあります。学術誌『Frontiers in Psychology』に2022年に掲載された研究は、中国の先行研究を引きながら、若い利用者はこの笑顔を皮肉と読み、年配の利用者は文字どおり喜びやもてなしの気持ちと読むと紹介しています。研究チーム自身の実験では、標準中国語を母語とする18〜30歳と40〜59歳の500人あまりを調べたところ、受け取り方をいちばん大きく左右したのは、誰がその笑顔を送ったかでした。どちらの年齢層も、親しくない相手からの笑顔ほど皮肉を読み取り、若いグループは送り手の年齢も判断材料にしていました。WeChatの笑顔はUnicodeの 🙂 ではなく、プラットフォームが独自に描いた画像ですが、ここから言えることは同じです。笑顔がかすかなほど、裏の意味を読み取られる余地が大きくなります。親しみを伝えたいなら、😊 や 😄 のほうがずっと誤解されにくいでしょう。

  • 微笑む

    控えめな微笑みのつもりでも、丁寧さの裏に隠したイライラや皮肉と読まれがちです。簡体字中国語のCLDRの名前は「呵呵」(文字で書いた「へへ」)です。

  • 笑顔

    口も目も笑っている顔です。うれしい気持ちを伝えるなら、🙂 よりずっと誤解されにくい絵文字です。

年上の家族が花や 🙏、おはよう画像を送ってくる理由

台湾では、家族のチャットはたいていLINEです。台湾ネットワーク情報センター(TWNIC)の「2025台湾インターネット報告」によると、成人の80.10%がいちばんよく使うメッセージアプリにLINEを挙げています。インターネットの利用率は60〜69歳で85%、70歳以上で53.80%にのぼり、最年長の層は4年で20ポイント以上増えました。年配の人たちは、あいさつの習慣もいっしょにLINEへ持ち込みました。そのための画像はひとつのジャンルになっていて、「長輩圖」(年長者の画像)という呼び名まであります。ハスの花や風景などの明るい画像に、あいさつや格言を大きな文字で載せたもので、朝も昼も夜も送られてきます。DailyViewがまとめた年配の人のメッセージの癖でも、これが1位、絵文字の多用が2位に入っています。日本でも、日本語入力アプリSimejiが2022年に10〜24歳の597人に聞いた「気になるおじさん構文の特徴」で、1位は「絵文字・顔文字・記号を多用」でした。

大事なのは、たいてい中身ではありません。台北栄民総医院の老年精神科医、蔡佳芬(Tsai Chia-fen)医師は、メッセージアプリによって年配の人は間接的でおだやかなコミュニケーションができるようになり、こうした画像を使えば、面と向かって言うプレッシャーを感じずに、伝えたいことを伝えられると書いています。さらに、大切なのはどの画像を送ったかではなく、送り先のリストに自分が入っていることだと続けています。台北市立連合医院のカウンセリング心理士、沈孟筑(Shen Meng-chu)さんも、こうした画像は年配の人がつながりをつくる手段だと述べています。おはよう画像や 🌹 ひとつが伝えているのは、たいてい「今日、ふと思い出したよ」ということです。

好みも年齢によって変わります。WeChatの利用者369人を対象にした2024年の調査では、自然の風景をテーマにした絵文字を好む人は60歳以上で83.96%、18〜44歳では7.41%でした。定番の黄色い笑顔をいちばんよく使う人は、60歳以上で75.47%、若いグループでは45.93%でした。🙏 の繁体字中国語のCLDRの名前は「感恩」(感謝)で、キーワードには「謝謝」(ありがとう)や「阿彌陀佛」(阿弥陀仏、仏教の祈りの言葉)も含まれています。年配の家族から届いたら、感謝と祝福の気持ちです。😊 も、年配の人が送る場合はたいてい単に「うれしい」という意味で、皮肉のつもりはありません。

  • ハスの花

    台湾のおはよう画像でおなじみの背景です。絵文字としては2021年のEmoji 14.0でようやく追加されたので、古いスマホでは四角で表示されることがあります。

  • バラ

    あいさつ代わりの花です。家族のグループでは、たいてい恋愛ではなく、温かい気持ちを表します。

  • 祈り

    繁体字中国語のCLDRでの名前は「感恩」(感謝)です。お礼にも、祝福にも、お願いにも使えます。

  • にこにこ

    目まで笑っている笑顔です。温かい印象で受け取られるので、🙂 の代わりにするならこちらが安心です。

同じ絵文字、2つの読み方

ここまでの内容を早見表にまとめました。どれもよくある読み方で、決まりではありません。家族のグループごとに、それぞれの読み方ができあがっていくものです。

  • 👍:親世代は「了解」「よくやったね」と読みます。若い世代の多くは、これだけが送られてくると、そっけなく、軽くあしらわれたように感じます。
  • 🙂:親世代は微笑みと読みます。若い世代の多くには、丁寧さの裏に隠したイライラや皮肉に見えます。
  • 😂:親世代は「面白い」の意味で使います。若い世代には少し古く感じられ、💀 や 😭 に取って代わられています。
  • 😊:どの年代でもたいてい「うれしい」と読まれ、🙂 よりずっと無難です。
  • 文末の「。」や「…」:書く側は「以上です」の区切りや、やわらかさのつもりでも、読む側には冷たさや、何か言いかけてやめたように感じられることがあります。
何も書かれていない吹き出しを、左右から2つのメガネが見つめています。ビーズのチェーンがついた老眼鏡と、ピンクの丸いフレームのメガネです。
同じメッセージも、かけるメガネが違えば読み方が変わります。

子どもが送ってくる 💀 と 😭 の意味

親にとっていちばんわかりにくいのは、たいてい若い世代の「面白い」の表し方です。💀 は本当の死とは関係なく、「死んだ」、つまり笑い死にしそうなほど面白いという意味です。😭 は悲しみではなく気持ちの強さを表し、笑いすぎたときや、感動して泣きそうなときに使います。🥲 は、強がりの苦笑いです。笑いの役目の多くは、😂 から 💀 と 😭 に移りました。😂 は2015年にオックスフォード辞書の「今年の単語」に選ばれ、Unicodeコンソーシアムによる2019年の使用頻度ランキングでも1位でした。同じランキングで 💀 は6番目のグループに入っていて、使用頻度は 😂 の64分の1にも届きませんでした。先ほどのFerdinandsも、Z世代は2020年に 😂 を「もうイケてない」と見限り、💀 に乗り換えたと指摘しています。つまり、子どもから 💀 が届いたら、笑わせることに成功したということです。

  • ドクロ

    「死んだ」、つまり「めちゃくちゃ面白かった」の意味です。子どもから届いたら、ほめ言葉です。

  • 大泣き

    悲しみとは限らず、気持ちの強さを表します。笑いすぎたときや、感動して泣きそうなときにも使います。

  • 嬉し泣き

    2015年にオックスフォード辞書の「今年の単語」に選ばれ、約10年にわたっていちばん使われてきた絵文字ですが、若い世代の多くには少し古く感じられます。

  • 嬉し涙の顔

    「大丈夫」と言いつつ本当は大丈夫ではない、苦笑いの顔です。Emoji 13.0(2020年)で追加された絵文字です。

研究でわかったこと:ギャップはニュースで言われるほど大きくない

世代による違いは確かにありますが、それほど大きくはありません。インディアナ大学のSusan HerringとAshley Dainasは、2020年に発表した調査で、英語を使うSNSユーザー519人に、Facebookの公開コメントをもとにした例文の中で絵文字がどんな役割をしているかを尋ねました。30歳以上の回答者は「わからない」と答えたり、絵文字を文字どおりに受け取ったりすることが多く、30歳未満はネットで定着した読み方をしていました。SNSで見る絵文字の意味を理解している自信が「とてもある」と答えたのは、30歳未満で61%、30歳以上で44%でした。

2025年の研究では、顔の絵文字の読み方に世代間の差は見られませんでした。スコットランドのアバテイ大学とオランダのマックス・プランク心理言語学研究所の研究チームは、Z世代、ミレニアル世代、そしてX世代かベビーブーマー世代にあたる計394人(大半はイギリスかアメリカ在住)に、24個の顔の絵文字をそれぞれ3つの言葉で説明してもらいました。いちばん多かった読み方は世代によって変わらず、世代内での意見のそろい方も、どの世代もほぼ同じでした。著者らは、10年ほど使われてきたことで、顔の絵文字は年齢を問わない共通言語になったと結論づけています。2つの研究を前に紹介した報道と合わせて読むと、世代間の読み方はおおむね一致していると言えそうです。摩擦が起きやすいのは、👍 や 🙂 のように口調を左右する一部の絵文字と、絵文字1つだけで返信する習慣です。

家族とのメッセージで誤解されないコツ

  • 👍 を送るときは、「いいね 👍」「ありがとう 👍」のようにひと言添えるか、👍😊 のように笑顔をつけましょう。それだけで、そっけない返事には見えなくなります。
  • 親しみを伝えたいときは、🙂 ではなく 😊 や 😄 がおすすめです。🙂 は、あえてその淡いニュアンスを出したいときのために取っておきましょう。
  • おはよう画像に長文で返す必要はありません。☀️😊 や 🫶 を返せば、「見たよ、こちらも気にかけているよ」と伝わります。
  • 意味がわからなければ、聞いてみましょう。勝手に誤解してすねるより、「この 💀 ってどういう意味」と聞くほうがずっといいでしょう。研究が示すとおり、絵文字の意味に完全には自信がないと認める人は少なくありません。
  • 新しい絵文字を送る前に、相手のスマホで表示できるかどうかも考えましょう。🫶 は2021年のEmoji 14.0で追加されたもので、数年アップデートしていないスマホではからっぽの四角に見えることがあります。
  • 相手のやり方に合わせましょう。絵文字の読み方は家族のグループごとに違うので、返事をする前に、相手がふだんどう使っているかを見てみてください。
  • サムズアップと笑顔

    同じ「OK」でも、後ろに笑顔をつけると冷たさが消えます。

  • 両手ハート

    「ありがとう」「大好き」の気持ちが、👍 より温かく伝わります。Emoji 14.0(2021年)の絵文字なので、相手のスマホで表示できるか確かめましょう。

  • OKのポーズをする人

    頭の上で両腕を丸にするポーズで、「いいよ」「問題なし」の意味です。👍 よりも元気な感じが出ます。

  • おはようへの返事

    おはよう画像への返事です。太陽と笑顔で「おはよう、見たよ」と伝えられます。

絵文字の誤解の多くは、どちらかが時代遅れだから起きるわけではありません。2人がそれぞれ違う辞書を引いているだけなのです。👍 が失礼かどうかを言い争うより、ひと言書き足して、笑顔を1つ添えるほうがずっと効果的です。ほかの絵文字もコピーしたいときは、下の絵文字一覧で日本語や英語の名前から検索できます。

このページのイラストはAIで生成したもので、各プラットフォームの絵文字のデザインではありません。